公的保育制度をめぐる「綱引き」

11年01月27日 | とし子からの手紙

「待機児解消」「二重行政をなくす」などの言い方で、幼稚園と保育所を廃止し、「幼保一体化」を進めようとしている菅政権。

その中身は公的保育制度の解体です。

働く女性がふえていますが、共働きの支援の仕組みが追いついていません。保育園不足のため待機児が解消できません。

岡山市でも500人を超す待機児が常態化しています。本来、この解消こそ重要です。ところが、政府は、幼稚園のほうは需要が減っている・・・として、「こども園」制度をすすめようとしています。幼稚園と保育園を10年かけて子ども園」の統合しようというものです。

問題なのは、児童福祉法で明記されている公的責任を放棄して、介護保険と同じように「認定」「自己負担」「直接契約」という仕組みに変えようとしていることです。

親の経済力により、必要があっても利用料が払えないと保育園を利用できなくなります。子育ても親の「金次第」というわけです。

介護保険制度で行き詰まり、問題視されている仕組みを児童福祉に持ち込むのは断じて許せません。

この制度改悪を巡って、全国で「新制度をやめ、国の財政責任を明確にした保育所増設計画を」求める運動が起こっています。

制度改変を巡る運動と政府の「綱引き」です。

今日の新聞報道では、政府は「こども園」法案を6月に先送りし、13年の開始は困難科・・・・という状況です。運動が実施を押し返しているのです。4月に行われる一斉地方選挙は、「こども園」制度を許すのか、やめさせるのか・・・をめぐる戦いにもなってきました。

民主党や、議会で推進の質問をしてきた公明党などが増えては「制度を後押し」してしまいます。

共産党は、保育園をきちんと増やし、仕事と家庭を両立させることのできる仕組みづくりを提案しています。

少子化の時代だからこそ、女性が安心して子どもを産める環境が必要です。